ファイナンシャルプランナーの仕事がないと言われる理由と将来なくならないための活躍戦略
「FP資格を取ったけれど、仕事がないと聞く」「将来は仕事がなくなるのでは?」──こうした不安を抱える方は少なくありません。
確かに、ファイナンシャルプランナー(FP)は独占業務がなく、資格を取得しただけでは自動的に仕事が得られるわけではありません。
しかし実際には、活躍できる場は多く存在し、戦略的に動けば副業・本業問わず安定した収入を得ることが可能です。
本記事では、「仕事がない」と言われる理由と現状の活躍フィールド、副業・本業での稼ぎ方、そしてAI時代に仕事をなくさないための戦略まで詳しく解説します。
「ファイナンシャルプランナー 仕事ない」と言われる理由
FPが「仕事がない」と言われる背景には、いくつかの構造的な要因があります。まずはその理由を整理しましょう。
原因を知れば、対策や方向性を立てやすくなります。
競争が激しい:FP資格取得状況と他資格との比較
FP資格は国家資格(2級・3級)や民間資格(AFP・CFP)問わず取得者が多いです。例えば、簿記と比較すると年間合格者数は3~4倍、合格率もFPの高く取得しやすいことがわかります。
そのため、資格を保有している価値としては少し低く、多くの資格保有者との差別化が難しいのが現状です。
資格・級 | 合格者数(概算) | 合格率(目安) |
---|---|---|
FP 3級 | 約30,000人 | 学科:85.4%、実技:85.6% |
FP 2級 | 約3~4,000人 | 学科:19%、実技全体:約40.5% |
FP 1級 | 約5~700人 | 学科:15.95% |
簿記 3級 | 約8,000人 | 42.4% |
簿記 2級 | 約1,000人 | 22.2% |
ただし、1級にもなると年間合格者数は500人程度でかなり低く、資格の希少価値としては高いと考えられます。
FPの級ごとの違いや取得メリットについてはこちらで詳しく説明しています!

独占業務がない:FPと業務領域が重なる資格一覧
ファイナンシャルプランナーは「ライフプラン設計」という幅広いテーマを扱える一方、法律上の独占業務がなく、他士業の業務領域と被ることが多いのが現実です。
- 税理士
- 重なる領域:相続税・贈与税・所得税など税務全般のアドバイス
- 税額計算や申告代理は税理士しかできませんが、FPも相続やライフプラン設計の中で税制を前提とした提案を行うため、境界が曖昧になる部分があります。
- 弁護士
- 重なる領域:遺言・相続争い、離婚に伴う財産分与、契約書関連
- 法的代理や書類作成は弁護士の独占業務ですが、FPも相続やライフプランの相談で顧客から法律相談的な質問を受けることがあり、線引きが必要です。
- 司法書士
- 重なる領域:不動産登記、会社設立登記、相続登記など
- 登記業務は司法書士の独占ですが、FPも不動産相続や資産運用の相談に関わるため、関連知識が求められるケースがあります。
- 行政書士
- 重なる領域:相続関連の遺産分割協議書、成年後見制度申請などの書類作成
- 書類作成の代理は行政書士に限定されますが、FPは「どの制度を利用すべきか」といったアドバイスを行う場面があります。
- 社会保険労務士(社労士)
- 重なる領域:年金、社会保険、労務関連制度
- 年金受給額や社会保険の制度説明はFPも行いますが、手続き代行は社労士の業務です。
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 重なる領域:不動産取引、住宅ローン相談
- 宅建業務(契約説明・重要事項説明)は宅建士にしかできませんが、FPも不動産購入時のライフプラン相談で顧客に関わるケースが多いです。
- 証券外務員
- 重なる領域:金融商品(株式・投資信託など)の販売や勧誘
- FPは資産運用のアドバイスができますが、具体的な金融商品の販売は証券外務員資格が必要です。
- 保険募集人
- 重なる領域:生命保険や損害保険の販売
- FPはライフプランに基づく保険の必要性を説明できますが、販売や契約は保険募集人資格が必要です。
一方で、数多くの資格と領域が被るほど広い知識を習得できるのがFPの強みでもあります。FPに加えて、今紹介した他の資格と組み合わせることで希少価値を高めることができます。
求人の選択肢が限られる
FPとして働く1つの選択肢として挙げられる企業内FPは銀行・証券・保険・不動産業界に偏りがちです。また、未経験者採用は少なめで、既に関連業界で働いている人がキャリアアップとしてFP資格を取得するケースが大半です。その理由としては
- 実務知識が即戦力として求められる
- 資格だけでは差別化できない
- 業界規制やコンプライアンス
つまり、未経験者がFP資格だけで企業に就職するのは難しく、まず関連業界で経験を積む→資格で専門性を補強する流れが一般的です。
典型的なキャリアパターン
- 銀行・証券会社の営業経験者がFP資格を追加取得
→ ライフプラン相談や資産運用相談の専門性を強化 - 保険会社の営業担当者がFP資格を活用
→ 保険販売に加え、総合的な資産設計アドバイスを提供 - 不動産業界の営業がFP資格を活用
→ 住宅ローンや相続・資産運用提案で信頼性を向上 - 士業補助(税理士事務所勤務など)でFP資格を活用
→ 相続や事業承継業務で顧客対応の幅を拡大
独立には営業力が必須
FPとして独立する場合、資格だけでは顧客は獲得できません。安定した収入を得るためには営業力は必須です。必要となる営業・マーケティングスキルを整理すると次の通りです。
独立FPに必要な具体的スキル
- 顧客開拓スキル
・見込み顧客のリストアップ
・紹介を生み出す仕組みづくり - プレゼンテーション力
・顧客にライフプランや金融商品の必要性を分かりやすく伝える能力 - マーケティングスキル
・SNS発信、ブログ運営、YouTube活用による情報発信
・SEOや広告運用の基礎知識 - 営業心理スキル
・顧客の課題を引き出すヒアリング力
・提案を受け入れてもらうクロージング力 - 顧客管理スキル
・CRMツールを使ったフォロー体制
・リピーターや紹介顧客を育てる仕組み
「資格=稼げる」という誤解
FPは資格を取得しただけでは稼げません。特に実務経験や専門性の深掘りが、顧客から選ばれる大きな要素になります。
目安となる実務経験
- 金融機関勤務(銀行・証券・保険)で3年以上
→ 投資信託・保険・ローンなどの商品知識と実務経験が積める。 - 不動産業界での経験(2〜3年)
→ 住宅ローン相談や資産活用提案に直結する。 - 士業事務所(税理士・司法書士など)での補助経験
→ 相続・贈与・事業承継に関する実務感覚が身につく。
専門分野の例示
- 相続・贈与対策:高齢化社会でニーズ増大。税理士や司法書士と連携可能。
- 住宅ローン・不動産活用:不動産購入や投資で相談需要が安定。
- 老後資金・年金設計:社会保障制度の複雑さから需要大。
- 法人向け福利厚生制度設計:中小企業経営者へのアプローチに有効。
将来的に「ファイナンシャルプランナー 仕事なくなる」は本当か?
「FPの仕事は将来なくなる」と言われる背景には、AIや自動化ツールの普及があります。特に、定型的・数値処理中心の業務は置き換えが可能です。
自動化されやすい業務例
- 家計診断ツール:収支データを入力すれば、AIが自動でキャッシュフロー表や家計改善ポイントを提案。
- 投資シミュレーション:ロボアドバイザーがリスク許容度に合わせて最適なポートフォリオを瞬時に提示。
- 保険の見直し:比較サイトやAIチャットが、契約中の保険を自動でスコアリングし、より安い保険を提示。
- 年金・税金の試算:ソフトが自動計算し、将来の受給額や税負担の目安を算出。
こうした領域は 「効率化」や「自動化」によってFPの価値が薄れる可能性があるため、「仕事がなくなる」と言われやすいのです。
ファイナンシャルプランナーの仕事が「なくならない」理由
一方で、FPの役割は単なる数値処理にとどまりません。むしろAIが不得意な部分で価値が高まります。
顧客の価値観や人生設計に寄り添った複雑な提案、相続・事業承継などの高度なプランニングは、人間ならではの強みが残ります。FPの未来は「なくなる」のではなく、「AIと共存しながら役割がシフトする」と言えます。
つまり、AI時代でもFPが人にしかできない分野で専門性を高めれば、仕事はなくならないのです。
なくならない理由と人間にしかできない領域
- 顧客の感情や価値観に寄り添う
ライフプランは数字だけではなく「安心したい」「家族を守りたい」といった想いが根底にある。AIは感情や価値観に寄り添えない。 - 複雑な事情を踏まえた総合判断
相続・事業承継・離婚・介護など、制度が絡み合うケースでは単純なシミュレーションでは解決できない。 - 信頼関係の構築
顧客は大きなお金を動かすとき、人に相談したい心理が働く。FPは「伴走者」として安心感を提供できる。 - AIでは拾えない個別事情
家族関係・健康・将来設計などデータ化しづらい要素を考慮できるのは人間FP。
実際には仕事がある!FPが活躍できるフィールド
ネガティブな印象とは裏腹に、FPが活躍できる業界や職種は幅広く存在します。ここでは、代表的なフィールドと仕事内容の例を紹介します。
- 金融機関(銀行・証券・保険会社)
資産運用、ライフプランニング、保険提案などで顧客対応を行う。 - 不動産業界
住宅ローン相談、投資物件の資産設計、相続不動産の活用提案。 - コンサルティング業
相続・事業承継、法人向け福利厚生制度設計。 - 教育・セミナー業
マネー講座や資産形成セミナーの講師。 - 執筆・監修業
金融メディアや出版社向けの記事作成・書籍監修。
副業としてのファイナンシャルプランナーの働き方
FP資格は副業にも適しています。本業の安定収入を確保しつつ、低リスクで実績を積むことが可能です。
以下は、特に人気のある副業スタイルです。
- SNS発信からの個別相談
InstagramやXで家計改善や投資の知識を発信し、相談依頼へつなげる。 - 土日セミナー開催
Zoomや地域の公民館で、少人数制マネーセミナーを開催。 - マッチングサイト経由の単発相談
ココナラやストアカなどでスポット相談を受ける。 - FP記事の執筆・監修
副業ライターとして金融メディアの記事を担当。 - 本業とのシナジー活用
営業・不動産・保険業など、既存顧客層にFPサービスを追加提供。
気になるFPとしての年収をまとめた記事もありますので、是非読んでみてください!

独立・本業FPで成功するための戦略
資格取得後の行動次第で、仕事の有無は大きく変わります。特に、独立して本業FPとして活動するには、安定した集客と差別化が欠かせません。
以下の戦略は、長期的に顧客を獲得し続けるために有効です。
- 専門分野を絞る
相続・老後資金・住宅ローンなど、特定分野で「その道の人」として認知される。 - 複数チャネルで集客
SNS、ブログ、セミナー、口コミ紹介など、入口を増やす。 - 顧客満足度の可視化
口コミ掲載や実績紹介で信頼度を高める。 - ニッチ市場の開拓
例えば「シングル女性の老後資金」など、ターゲット層を絞る。 - 継続的な情報発信
ブログ・YouTube・SNSでの知識共有により、見込み客の信頼を蓄積。 - 収益モデルの多様化
相談料、顧問契約、セミナー、執筆など複数の収入源を持つ。
まとめ
AIの進化により、家計診断や投資シミュレーションなど一部業務は自動化が進み、「FPの仕事はなくなる」と言われることもあります。ですが本質は数字の計算ではなく、顧客の価値観に寄り添い、相続・老後資金・不動産活用など複雑な課題を共に解決することにあります。こうした領域はAIには代替できず、むしろ人間FPの価値が高まる分野です。
つまり、FPの仕事はなくなるのではなく、AI時代だからこそ人にしかできない役割が際立つのです。副業としても始めやすく、本業へ発展させる道も開けます。
今から資格を取得すれば、将来性ある分野で強みを築けます。AIに代替されない専門性を身につけ、キャリアと収入の選択肢を広げましょう。
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FPの資格を取りたい!と思った方は、難易度の確認もかねて早速勉強を始めてみましょう。
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よくある質問(FAQ)
FPに関してよく寄せられる質問をまとめました。実際の疑問点を解消して、次の行動に移りやすくしましょう。
Q1. FP資格だけで副業は可能ですか?
👉 可能ですが、実務経験や専門知識の深化が重要です。
Q2. 副業FPの収入はどのくらい?
👉 月数万円〜20万円程度が一般的。集客力によって差が出ます。
Q3. 副業から本業に移行するタイミングは?
👉 年間収入が生活費をカバーでき、顧客基盤が安定したとき。
Q4. 副業FPは確定申告が必要ですか?
👉 年20万円を超える収入がある場合、確定申告が必要です。
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